散文 遠くの友人へ


今日2通の手紙が届いた。その前に1通。
となりの県から、少し離れた島から、故郷の町から。
そのどれにも彼女たちなりの表現が込められていた。

手紙のかわりに。

多くの点は交わることなくこの世界を周りつづけるけれど、
あるとき一瞬の交差のなかで空中に目の覚めるような白い火花を散らし、
あるとき紙に滲んだインクのように時間をかけてゆっくりと定着していく。

人は否が応でも生きるけど、ただ生きるには、生きづらい。
多忙の合間にも道端の草木や花に目を留めるように、ささやかであれ、
魂が安らぎ心をはずませることのできる何かを見つけるものだから。

ことばを借りて、図像を通して、人の思いが結びつく。
そういうことを思い出させてくれる友人へ、ありがとう。

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