散文 コップ一杯の水/旅の日





コップ一杯の水

鉢植えの株から、若い茎を一本切りとる

まだ外皮をまとっていない
花咲く前の茎

その柔な緑を水に挿し、僅かな光にあておけば
遠く、忘れられた頃に、茎が自ら根を伸ばす

しかしまだ、頼りない茎を土に植えて

この一本は無事に育ってほしいと
都会の端でコップ一杯の水をやる




旅の日

そんなに、世界は広くなくとも良い
そんなに、遠くへ行かなくとも良い

大勢の人の顔を知らなくとも良い

「どこへ行っても空が青いことに変わりはない。
 そのことを知るために、世界中を旅して回る要はない」

唯、そのことを知るために、歩かなければならない人もいる



というわけで、6月21日から4日ほど九州におります。

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