栃木県・黒磯 1988 CAFE SHOZO



年明けの1月2日に、友人に教えられて黒磯にある「SHOZO」へ出かけた。

今回は日帰りだからローカル線でのんびりとはいかず、一足飛びの移動だ。
JR東北新幹線で東京駅から那須塩原駅まで、そこからJR東北線で黒磯駅へ向かう。
那須塩原駅でローカル線に乗り換える時、雪が降りはじめた。初雪。

黒磯駅で降りて、地図を頼りにSHOZOを探す。
正月のせいか、閑散としている町を駅西口からとぼとぼと歩きはじめた。
よくみると、あちこちに蔵が残っている。


SHOZO ROOMS(5/20)

1988年に古いアパートの2階ではじまった「1988 CAFE SHOZO」を筆頭に、
今では駅界隈に7軒もの店を構えているらしい。そのほとんどが西通りに集中している。
まず一番最初に見えたのが「ROOMS」。真向かいに「04 STORE」がある。

しかし早く着きすぎた。開店まで2時間もあるので、人が居ないのをいいことに
好き勝手に写真を撮ったあと、一旦駅周辺に戻って腹ごしらえをすることにした。
鼻の利く友人の声で、目抜き通りにある「生そば冨陽(ふよう)」という店に入る。

友人は柚木切と盛りそばを、私は温そばを注文した。
盛りそばは、緑色をした新そばと熟成そばの2色で、少し分けてもらったら、
風味があって美味しかった。手打ちの細い麺も好みだし、コシも程よい。
変わりそばなど、とにかく品数が多く、季節ごとにメニューに趣向を凝らしているようだった。
そばをすすっている間も、店の奥から絶えずそばを挽く音が聞こえていて、妙に耳に残った。


SHOZO ROOMS(7/20)SHOZO ROOMS(13/20)




SHOZO ROOMS(16/20)SHOZO ROOMS(8/20)




SHOZO ROOMS(9/20)SHOZO ROOMS(17/20)




時計が開店時間の13時を回ったところで、そば屋をあとにして「ROOMS」へ。
ROOMSで取り扱うのは、一部雑貨も含めたアンティーク&中古家具が中心。
どれもこれも趣味がよく、ディスプレイも気が利いている。広い店舗なだけに相当数の家具があった。
東京でいうと、店の面積・商品のラインナップともに、目黒の「BROCANTE(ブロカント)」や
FOUND(ファウンド)」、渋谷の「Orné de Feuilles(オルネドフォイユ)」に近く、
さらに家具がみっちりと詰め込まれているイメージ。お値段も東京価格だ。

あとは屋根裏風の中2階を利用した、小さな子ども部屋がかわいらしいので、
初めて行く人は見逃さないでほしい。屋根裏といえば、建物の2階部分にかかっている
「手づくり田舎とうふ/田代食品」の看板も愛嬌があって好きだった。
昔のものをそのまま残したのだろうか。水がきれいな土地柄、ここの豆腐も
おいしかったのかもしれない……などと、ちらり思う。

その後、後向かいの洋品店「04 STORE」、貸スペース「SHOZO・SPACE」、
生活雑貨用品店「JAPON」、最後に「1988 CAFE SHOZO」の順で、それぞれの店を見て回った。



SHOZO JAPON(1/2)

04 STOREは、ブランド品のほかに古着もあって、価格も良心的だった気がする。
SHOZO・SPACEはお休み。JAPONは、基本的にメーカー品を卸し売りしているようだったが、
現行品のほかに3,4年前のカタログで見た商品や、古物も少しだけ扱っていた。

驚いたのは、各店の開店時間とともに、ひとっこひとりいなかった街に突然人が溢れたこと。
あとでタクシーの運転手さんに聞いた話だと、お客のほとんどは私たちのような県外から来た人間で、
夏なんてとんでもない量の人が訪れるらしい。カフェの元祖といわれるだけあって、えらい人気だ。

1988 CAFE SHOZOも、私たちが着いた頃には、1階の販売スペースも2階のカフェも
大変な賑わいだった。カフェでケーキとスコーンのセットに、単品で飲み物を注文した。
カボチャのプディング・スコーン・カフェオレ、どれも満足した。美味しい。

でも一番感心したのはサービスがしっかりしていること。最初は席数が多いにしても、
スタッフの人数が多過ぎるのではないかと、いらぬ心配をしてしまったけど、そのぶん
給仕のタイミングは絶妙だし、せかせかしていないので、お客に変な気を遣わせない。
要は理想だけでなく、現実にちゃんと店が回っているという点が素晴らしいと思った。

Minamigaoka ranch(2/2)

ひと通り店を見て回ってから、せっかくなら景色のいい場所まで足を伸ばそうという話になって
近くの「南ヶ丘牧場」に行くことにした。近くといっても、那須塩原と黒磯の中間あたりで
黒磯からは、かなり距離があるので、雪の時期は車でないと移動が難しい。

今回は割り切って(?)タクシーに乗った。山に近づくほど雪が深まっていく。
数日前に大雪が降ったらしく、タクシーの運転手さんも山に行くのは気が重そうだった。
おもしろかったのが「俺あ、今から山の上の方でひと仕事あるんだけど、サボりたいから、
よかったら牧場の前でメーター止めて待ってるよ」という、運転手さんの申し出。
駅に戻れば、まだお客がいそうな気もするけど、それよりか遠距離を走る方が割がいいのか、
ほんとうに山道を走るのが億劫なのか。ひと仕事って何? ちゃんと聞けばよかった。
牧場では馬とロバをしつこく観察して、コーヒーで体を温めながらカメラ談義に移った。

最初は湖か高原にでも写真を撮りに行く予定だったのが、ある意味、東京を散歩する時よりも
都会的な散歩になった。最後にたくさんの雪を見られたのが何より。ロバも寒がっていたかどうか。



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1988CAFE SHOZO
〒325-0045 栃木県那須塩原市高砂町6-6
TEL/FAX.0287-63-9833(13:00〜21:00/第1金曜定休)
http://www.shozo.co.jp/1988/

那須高原 南ヶ丘牧場
〒325-0393 栃木県那須郡那須町湯本579
TEL. 0287-76-2150 FAX. 0287-76-2477(8:00〜17:30 ※夏期延長あり/年中無休)入場無料
http://www.minamigaoka.co.jp/

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