
にっぽんの西 九州の山奥の村に ひとりの盗人が住みついた
男は長い時間をかけて 己の半身を土にうずめ
ついに天の星を盗み出し 永い永い歳月をも止めてしまった

真暗い宇宙で 燃えて吹き出し 誕まれた
今は静かに冷えきって 幾光年の彼方から やってきたそれは
灰に交わり 鋼の冷たさと 焔の熱と 煙る宇宙の塵とを
ただ一身に閉じ込めて 人の手で温もる

少年の黒い瞳に宿った 星粒のなみだ
いのちの証に たたずむ塊 ひとつの器
(なみだ壷/税抜4,000円)
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